Album「Mother Ship」セルフレビュー

更にアルバムの世界感を楽しんで頂ければと思い簡単にレビューをあげてみます♪

「Mother Ship」のテーマ
Mother Ship=母船。色々な音楽船が集まるマザーシップという意味合いでこのタイトルを付けました。というのも個人的に先祖/父親が船乗りと言う事もあり、地元に実在する「Dondada」という船からM3曲Dondadaのアイデアが生まれそれにインスパイアされ「Mother Ship」に辿り着きました。様々なジャンルのダンスミュージックやアーティストが乗船するこの船に乗って新しい場所に連れて行くというテーマを考えました。そして最後のTogether, Everybody – Exodus – ではあのボブマーレーの曲「Exodus」(奴隷船から脱出する歌)からインスパイアされ皆でこの場所から脱出するぞという意味合いを持ちアルバムが終演します。*因にiTunesアルバム限定ボナーナストラックとしてBorstal Breakout 〜大脱走〜というクレイジーなトラックで脱走は完了します☆ そして今回のアルバムはぞくに言う「歌ものトラック」が多く収録されていると思われるかもしれませんが、トラックも歌もあくまで「音」であり、トラックの持つ意味と歌の持つ意味をバランスよく一曲のテーマに沿ったダンスミュージックに表現しました。なので「インスト」とか「歌もの」とかっていうカテゴライズもここには関係なくSONPUBによる新たな10曲のニュートラックと解釈して頂けると幸いです♪

1 Let Your Body Go feat. O-Mocha
昨年頭から何十パターンも作り超苦戦しながらも作り上げた力作。
Future Bass Music感とEDM的であり尚かつ疾走感と爽やかなPOPさを表現したかった曲。
展開しまくるトラックをスキルフルに乗りこなせるヴォーカリストを探していた時に友人からカナダ人のO-Mocha(オモカ)を紹介される。一般的にあまり知られてはいないがこの子のデモを聞いた時にヤバいとおもいすぐオファーした。流石黒人という躍動的な歌い方と可愛くも芯のある独特のボイスが自分のイメージにピタリと合った。
しかしデモバージョンから何度もアップデートし、この1曲が生まれた。

2 Rock With You feat. SIMON
自分にとって昨年最も意味のある出会いを感じたラッパーSIMON。プロデュースさせてもらった「In The Box」が昨年から今年にかけてhiphopシーンのみならずクラブ/ダンスシーンなど多方面で注目を浴びDJ達にプレイされた事は本当に自分の自信に大きく繋がった。自分にとって新たな出会いを感じたSIMONとまた何かを作りたいと思い、今度は自分の曲でSIMONのボーカルを音の素材として使わせてもらうアイデアをオファー。3年前から温めていた南米ネタを細かくサンプリングしたフロアキラーを意識したダンストラックにSIMONが往年のヒップホップ/クラブミュージックの王道フレーズを連呼&EDITしまくるというアイデアを詰め込んだ1曲。フックでMJのRock With Youを唄っているのはM1のO-Mocha。

3 Dondada feat. Atsushi Horie
この曲からアルバム「Mother Ship」の構想が生まれ、今回の表題曲でもある最もSONPUBの「今」を表現する曲。
音楽性も多様でピアノなどの生演奏を使用しTrap/Bass Music/Dubstepなどの新しい要素を取り入れ尚かつエモーショナル&POPに仕上げた力作。フランスのバンドPHOENIXのボーカルイメージがあり、大体のメロディイメージがあった。そこで以前から交流がありリスペクトするストレイテナーの堀江君にオファーしたところ快く引き受けてくれ、何度もiPhoneのボイスメールで歌い合いメロディアイデアを交換しました。ストレイテナーは僕の中で日本のPHONIEX。本当に素晴らしいボーカルがトラックとマッチし新たな融合が生まれた1曲。そして僕のアンセム。
この音楽宇宙船号に乗って遠い遠い所まで旅をしてほしい。

4 Jack The Ripper feat. Sky-Hi
ど頭のカンフーの音は何なんだ?!と思うかもしれませんが、単純にこの音が気持ちよくてそして「Me? It’s Jack The Ripper」というフレーズが好きでこの曲のタイトルに決めました。サウンド的には気持ち良いループ感とスタジアムロック感、そして巧みなビートコラージュをトラックで表現し、そこからボーカルテーマを「音と言葉で鋭く切り裂き魔」に設定。元々エミネムの様な勢いと鋭さとスキルフルなラップものをイメージしていたのでその時にパッと出て来たのが今噂のSky-Hiでした。彼とは丁度出会ったばかりでガイダンスと言わんばかりの良いタイミングでオファーさせて頂きました。何度もiPhoneボイスメールでアイデアを交換し、ロックスターばりのパーティRAPを披露してくれました。ガーザス!

5 Ghost Ship feat. Bose,Una,Wise
ヘビーでワルそうなTrapサウンド船に乗った、幽霊海賊3人衆の歌。
まずこの面子の組み合わせに意外性を感じる方が多い事でしょう。ホントに個人的にコラボが実現出来て感激のスチャダラパーのBoseさん。そして昔からの仲間であり盟友のワイちゃん、そして紅一点の女海賊役のUnaちゃん。
きっかけは友達の結婚式にBoseさん、ワイちゃんが同席していた事から始まった。その後、あと一人の海賊は誰に抜擢するかを吟味に吟味を重ね女海賊役としてニューカマーUnaちゃんへオファーする事に。皆のラップが見事にマッチし息の合った1曲になった。「旗を立てろ!」の後にノリでBoseさんが言った「フラッグ立てろ!」で爆笑したのが印象深い(笑)あと「ぽい〜!」ネタもAZS!!!

6 International Sound feat. U-Roy, The BK Sound
この曲も異色のタッグ!まず僕とBKの二人で「Monster Rion」というユニットを始めたばかりで何か1曲作ろうと言う話になり制作は始まった。レゲエバイブスの超ヘビーなDubstep/Bass Musicに日本の祭りサウンドをミックスした国境とジャンルを越え融合するダンスミュージック。それにジャマイカのスーパーレジェンドU-Roy(ユーロイ)をフィーチャーしまさに「インターナショナル」な1曲が完成した。ボーカルはジャマイカにてレコーディング。
デモトラックに対して歌ってくれたU-RoyのボーカルをコレでもかとEdit!因にシンセのメロディはスターウォーズのインペリアルテーマを意識してます。世界中のフロアで鳴り響いてほしい。

7 Bang Bang Bang – 甘いメロディ -
これも3年くらい前に作りゆっくり温めたトラック。笠木シズ子さんという美空ひばりさんの師匠的な方の「ラッパと娘」という曲をサンプリング。KATS’の仲間のJEDIが「ヤバい曲があるよ」とこの曲を教えてくれて「バンバンバン!甘いメロディダラダラダラ」というフレーズに惚れ込みそこから世界感を広げていきました。昔の和の歌謡曲的な要素とインドの映画音楽で使用されているストリングス楽器を取り入れ「エロい」ダンスミュージックに進化させてました。インスト的な曲ですがあえて日本語を取り入れて見る事に挑戦してみました。

8 Robot Trap
この曲はこれまでのSONPUBとしてのマニアックな世界感を打ち出せた曲。テーマはずばりそのままRobot Trap。
あえて歌は入れずにヘビー&ダーティなサウンドに様々なシンセがロボットの様になり合うトラック。
そしてこの次の曲へバトンを繋げる役目を持つアルバムとして意味のある1曲。そのまま9曲目へ繋げて行って下さい♪

9 Robot Carnival
Robot TrapからRobot Carnivalへ。以前配信シングルとしてリリースしたトラック。この曲の完成と同時に自分の中でサウンドメイク面においてスキルアップの大きな一歩に繋がった曲。敬愛するDaft Punkをオマージュする意味合いも持ち、自分なりのロボットサウンドの世界感を表現してます。UKの名門マスタリングスタジオ「The Exchange」にマスタリングを依頼するも2度のやり直しを経た後に自分的に納得いかず、結局自分でマスタリングを行いました。それから楽曲のMix downやマスタリングを自分で行うという事に自信を持つことが出来たNEXTに繋がる大きな1曲。
超もがいてたの思い出す!w

10 Together, Everybody – Exodus -
この曲は2010年に他界したKATS’の仲間Keythのトリビュート的シングルEP「Show The World / Together, Everybody」に収録した曲のアルバムバージョン。特に後半部分が変わりました。軽快なノリから最後は半分のピッチに変化しDopeなノリになりフェードアウトして行く雰囲気が気に入っています。冒頭でも書いた、ボブマーレーの名曲「Exodus」(奴隷船から脱出する歌)からインスパイアされ最後は皆でこの場所から脱出するぞという意味合いを持ちます。DJ Daruma氏の制作してくれたTシャツのデザインが凄くリンクしていてます♪

*「ナタリー」インタビュー掲載ページ

*2013/9/30の block.fm 特番「Radio Mother Ship」の収録アーカイブ音源がここで聴けます。